ウィスキーギャラリー・グランキンチー2008 alc53.9%
グラスに注ぐとドライフルーツや炒ったナッツ、スパイスのアロマが豊かに立ち昇ります。古木やアンティーク家具の香りがシェリー様のアロマと混ざり合いながら、たまり醤油のニュアンスへと変化し、樹脂を含んだ木の皮を微かに感じます。口に含むと色合いや香りから思い描いていたシェリー樽に期待するドライフルーツやスパイス、チョコレートといった味わいが口の中を満たし、続いて現れるベルモットと紅茶が、程よい熟成感を醸し出します。フィニッシュにかけてドライアプリコットが顔を覗かせ、適度な塩梅に加わるタンニンが、甘く奥行きのある味わいとバランスを保ち、長く続く余韻が心に残ります。
ヨーロピアンオーク特有のタンニンは支配的ではなく、オロロソシェリー樽のキャラクターと熟成感が両立した、“シェリーボム”と一言では片付けられないすばらしい魅力を放つシングルカスクです。味わいの素晴らしさだけでなく、蒸溜所名「グレンキンチー」表記が許された特別なカスクを詰めた1本。